【開催報告】11月 NASC OPEN DAY まちの再編集で長野駅前の“にぎわい”を再起動！〜ながの東急百貨店と共に描く、コンパクトシティの未来〜

2025年11月26日、NASC OPEN DAYを開催しました。

NASC OPEN DAYは、NAGANOスマートシティコミッションが主催する、会員とつくりあげる交流デーです。

今回は、長野駅前を舞台に、これからの“まちのにぎわい”をどう再編集していくかをテーマに、ながの東急百貨店の宮村氏をお招きし、地域のプレイヤーと共に深い対話が生まれました。

インスピレーショントークの問い：なぜ今「駅前の再編集」なのか

宮村氏の冒頭プレゼンでは、長野市におけるコンパクトシティ構想と、駅前エリアが抱える課題・可能性が示されました。

● 長野の現状　コンパクトシティとスプロール化

市として、過去に立地適正化計画を策定するなど都市機能の集約化を進めている

一方で、イオンモール須坂（2025年開業）など、郊外のスプロール化は加速

（スプロール化：都市が郊外へ無計画に拡大する現象）

●商業の変化

旧来の「物販中心モデル」は転換期に入り、体験価値やサービス価値への再編が必要

登壇資料では、他県の成功事例として高松丸亀町のマスターリース方式、宇都宮のLRT、盛岡の若いプレイヤーの流入などが紹介され、長野の未来を考えるヒントとして共有されました。

“OPEN YOUR MIND”から始まった対話

後半は、NASC独自の対話フォーマット「Open Your Mind」からスタート。

参加者がテーブルに“今感じていること”をカードで置き、率直な気持ちを共有するところから議論が展開されました。

議論から見えた「駅前の未来を創る5つの視点」

 

① 小さな挑戦ができる“場”の不足

創業間もない事業者からはこんな声が上がりました。

「固定費のリスクが高く、駅前で挑戦するのはハードルが高い」

「信頼や知名度ある場所でポップアップ出店ができたら大きな価値になる」

駅前の価値を「挑戦の入り口」にする構想は、多くの参加者が共感したポイントでした。

② みんなが立ち寄れる“共創拠点”の必要性

 官民・大学の参加者からは、共通して次の提案が出ました。

中高生も使えるフリースペース

行政・大学・事業者が自然につながるコラボ拠点

ショートピッチイベントが開ける“街のステージ”

③ 善光寺までの“回遊性”をどうつくるか

中央通りへのライトレール（LRT）導入案や、街歩きを促す仕掛けなど、交通の議論も活発でした。

高齢者や観光客の移動のしやすさ

バリアフリーなアクセス

スタンプラリー×変圧器ラッピングによる街歩き施策（インフラ企業からの提案など）

④ 権堂商店街の構造的課題

 権堂商店街の構造問題も具体的に挙がりました。

アーケードの構造上、区画が細かく分断され、上階居住者の入口確保が難しく、再開発の障壁になっている

再開発にあたっては、区画統合や上階居住者のための入り口再整備など、複数者の合意形成が必要

「なぜ活性化が進みにくいのか」を多様な参加者で背景理解が進んだ点も、今回の大きな成果でした。

⑤ イベント・文化と“にぎわいのデザイン”

 善光寺表参道でのイベント開催との連動

プロスポーツ拠点による人流づくり

百貨店× 善光寺 × 商店街 × 行政 の“複合的まちづくり”

長野駅前が点の賑わい”から“面の賑わい”へと発展するイメージが議論されました。

今後に向けて

今回の対話で、多くの参加者から「つながりたい」「共創したい」という声が出ました。

異なる業界が混じり合って新しい視点が立ち上がるのがNASCならではの価値です。

こんな声もありました。

「普段、まちづくりに関わる人同士で話すことはあっても、

こうして全然違う業界の人達が交わることはまれ。話すことで新しい突破口が見える」

これこそ、NASC OPEN DAYがめざす姿そのものです。

長野駅前のにぎわい再起動は、もはや単独の事業者では解けないテーマ。

だからこそ、今回のような越境的な共創の場が次の一歩をつくります。

今後もNASCは、長野から新しい共創モデルを発信するとともに、こうした出会いや対話の場を継続的に提供するハブとしての役割を果たしていきます。

共創パートナーを探したい方、テーマやアイディアをカジュアルに話したい方は、ぜひお気軽にNASC事務局までご連絡ください。

 📩 nasc@city.nagano.lg.jp