ともに描けば、未来は動き出す。「めぐる つながる NASC OPEN DAY」Feb.2026 を開催
- 3月21日
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スマートシティNAGANOの実現に向けて、活動しているNASC。産学官金が連携したオープンイノベーションを通じて新産業の創出と地域課題の解決を目指す組織で、趣意に賛同した200以上の団体が参画しています。
NASCでは、2026年2月18日に「めぐる つながる NASC OPEN DAY Feb.2026を開催。
今回のテーマは「ともに描けば、未来は動き出す。共創の"兆し"を地域の"力"へ」。長野の未来をともに描く1日として、NASC会員企業・団体に限らず一般の方も参加できるオープンなイベントとして実施されました。

熱気あふれる会場で、共創の扉を開く
会場となったのは長野市芸術館3階アクトスペース。今年度も市内外から共創に関心を持つ多くの方々が集まり、会場はエネルギーに満ちた空気に包まれました。



イベントの冒頭、NASC事務局長を務める長野市経済産業振興部部長・峯村氏があいさつに立ちました。

「人口減少や産業構造の変化など、地域課題は一つの組織・業種だけでは解決できるものではありません。それぞれが持つ技術や知見、課題意識を持ち寄って、新しい価値を生み出すという考え方がより求められています」
続いて、NASC事務局の中村氏よりNASCの今年度活動を紹介。令和8年度実証プロジェクトの募集が4月下旬〜5月頃を目途に開始される予定であることも発表されました。

資産に気づくことが、共創の出発点
最初のプログラムは、株式会社Relays代表・田ケ原恵美氏による講演「共創の物語をひらく:地域が未来へ動き出すコミュニケーション」。

ITスタートアップの広報をルーツに持ち、行政や中小企業のPR支援、ラジオ出演など多彩なキャリアを歩む田ケ原氏が、共創に必要なエッセンスをわかりやすく語りました。
「それぞれの当たり前や、強みだと思っているところが、誰かにとっての貴重な財産になっている」と話す田ケ原氏。新しいものをゼロから作ろうとする前に、まず「すでにある資産」に気づくことが、共創の第一歩だと言います。


講演の途中、田ケ原氏は参加者に呼びかけます。
「前後・隣の方と、自分の会社や組織の強み・資産を共有してみてください」
最初は少し緊張気味だった会場も、参加者同士で対話が始まるとすぐに活発な議論を始め、自社の個性や課題感をオープンにぶつけ合う声が会場中に広がりました。



「共創のゴールは最初から完璧に決めなくてよい。まず一緒に1日イベントをやってみることでも、コラボレーションになる。今日この場での出会いが、次の打ち合わせへとつながっていけば」。田ケ原氏のまとめの言葉は、参加者一人ひとりに、踏み出す勇気を与えるものでした。

実践者たちが語る「共創の現場」。トークセッション
講演に続いて行われたのは、4名のトークセッション。
NASCのワーキンググループに参加した株式会社シューマートの杵淵弘樹氏、株式会社ながの東急百貨店の宮村怜氏、そして田ケ原氏が登壇し、NASC事務局のSUNDRED株式会社の深田昌則氏をモデレーターに話が展開されました。

杵淵氏は「意識を変えると行動が変わるというのは、順番が逆。まず行動を変えることで意識が変わる」と話し、小さな一歩を踏み出す重要性を強調。宮村氏は「普段絶対に一緒にお仕事しない業種の企業さんと話せたことが大きな経験だった」と振り返ります。
また、NASCのワーキンググループ活動においての話しでは、「会社という看板をそんなに持ち込みすぎず、想いを持った人同士が集まったチームだったからこそ、プロジェクトとしてうまくまとまった」という言葉は、共創の本質を突くものとして会場の共感を集めました。

実証プロジェクト報告:「長野市の滞在モデルを変える装置」SnowHUB NAGANO CITY
続いて行われたのは、令和7年度実証プロジェクトの途中経過報告。株式会社フィールドデザイン代表取締役・林光太朗氏が「SnowHUB NAGANO CITY プロジェクト」の取組と成果を発表しました。

「長野市街地に滞在しながら、飲食やアミューズメントも楽しむ新しいスキー旅行のスタイルを提案したい」という思いから2024年10月に発足した本プロジェクト。2025年12月22日には長野駅善光寺口から徒歩2分の場所に長野に滞在する観光客向けの拠点「Travel HUB Nagano City」をオープンしました。
「この施設は単なる拠点ではなく、長野市内の滞在モデルを変えられる装置になる」という林氏の言葉に、参加者も大きな関心を寄せていました。

(実証プロジェクトに関する詳しい記事はこちらから)
共創プロジェクトピッチ:「健やかな暮らしを実現する5チームが登壇
その後「健やかな暮らしを実現する」をテーマに、5チームが共創プロジェクトのアイデアを提案。各チーム熱量をもってプレゼンテーションしました。それぞれの提案内容は以下の通りです。
■信州食育キッズアカデミー
(参加企業: 株式会社SATOKA、NTT東日本株式会社、中部電力株式会社)
信州の森と食材を学びの舞台に、親子で食や地域文化について学べるサブスク型プログラムを提供する。「知る・作る・食べる・伝える」の4ステップで単発体験にとどめない設計が特徴。

■農業から始める企業とギグワーカーをつなぐ地域密着型ギルドの創設
(参加企業:株式会社さんさんふぁーむ他)
長野市内に多い小規模農家が抱える人手不足・収益の不安定さを、複数農家と副業ワーカーをつなぐ「地域ギルド」の仕組みで解決する。

■走って歩いて健康ながの
(参加企業:株式会社羽生田鉄工所、三井住友海上火災保険株式会社、合同会社キキ、信濃毎日新聞社)
ランニング前後に活用できる拠点「ながのRUNベース」を整備。更衣・シャワー・荷物預かりなどの機能を設け、ランナーと健康関連施設・イベントをネットワーク化する。

■長野市の長寿の知恵を、世界へ ━ From Green Centenarians To The World
(参加企業:ソフトバンク株式会社、株式会社CREEKS、株式会社シューマート)
長野市に住む100歳超の方々を「グリーンセンテナリアン」と命名し、その暮らしや長寿の知恵を国際的に発信。7兆ドル規模とも言われる「ロンジェビティ(健康長寿)」市場を長野市に呼び込む。

■ともいく健やかラボ!
(参加企業:株式会社Ccobi、株式会社ミールケア、長野都市ガス株式会社、株式会社マルイチ産商、一般社団法人ライフイノベーション)
育休中の社員が抱える孤立感やキャリア不安を解消し、企業の離職防止・円滑な復職を支援する地域密着型プラットフォーム。ランチ交流会・キャリアデザイン講座などを計画する。

発表中、参加者は応援や感想などのコメントを記入する「共創コメントシート」を記入。それぞれのチームに「自分だったらこういった貢献ができるのではないか」と考えながら、プレゼンテーションに耳を傾けていました。


未来のタネを育てる対話。テーマ別ラウンドテーブル
プログラムの最後は、参加者による「テーマ別ラウンドテーブル」。「車がなくても暮らせる移動のしくみ」「持続的可能な観光をかなえる」など、6つのテーマに分かれ、参加者同士で対話を重ねました。
各テーブルでは、異なる業種・立場の参加者が初めて顔を合わせながらも、真剣かつ楽しそうにアイデアを交わす光景が広がりました。



「Bリーグ所属のプロバスケットボールチーム『信州ブレイブウォリアーズ』がいるんだから、その試合会場とヘルスケアを掛け合わせる企画はできないか」
「権堂商店街を盛り上げるのが、今後の長野市の観光の鍵になると思う。たとえば雨の日に観光客を権堂商店街のアーケードで楽しませることができたらおもしろい」
など、各テーブルからユニークな共創アイデアが生まれました。



最後に集合写真を撮影してめぐる つながる NASC OPEN DAY Feb.2026は終了。閉会後も、会場内は参加者同士でコミュニケーションを取る姿が見られ、イベントの余韻が残っていました。


「まず一歩、動き出すことが大切」──今回の NASC OPEN DAY を通じて語られたメッセージは、どれも共通してそう語りかけていました。
これからもNASCの活動に、ぜひご期待ください。
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